昆布は主に東北地方と北海道で生産されています。
生息地の海流により種類と特徴が異なり、ワインと同じように、産地(浜)、規格、格付けによる区分がしっかりされています。
主な種類には、真昆布(松前昆布、山だし昆布などの総称)、利尻昆布、鬼昆布(ラウス昆布)、三石昆布(日高昆布)、長昆布、細目昆布があります。
近年、ネバリ成分による健康効果が期待され、ガゴメ昆布の人気がありますが、本来の昆布でも十分健康に良いので、もっと昆布を使うことをオススメします。
昆布の様々な区分としては、天然と養殖、等級、採取時期(走物、后採れなど)、白口、黒口、赤口、元揃え、長切、折、棒、雑、などがあります。
また、採れた浜の格付けも厳格で浜格差があります。これは同系列の昆布を取引する際に価格の基準になり、品質のほかに、品質改良、需要、採算などの要因も含まれます。
そのため、流通動向や産地事情によって多少変動しますが、概ね、基準浜となった浜の「一等」の価格が中心に決まっていきます。
水の違いは昆布ダシをとる時に大きく影響します。軟水でとれば旨味を十分に引き出せ、香りの豊かなダシが出ますが、硬水では十分な味が出ません。
鰹と昆布のダシ文化は関西が中心ですが、関東が硬水なので、昆布ダシがうまく出なかったため浸透しなかったという説もあります。
産地浜以上に天然か養殖か、というのも昆布を選ぶ重要なポイントです。
養殖は安定供給されていますが、天然もののまろやかな味と上品な甘み、コクには勝てません。一般的に、幅が広く色の真っ黒なものが良いように思われていますが、実際は違います。
採れた浜にもよりますが、天然物は厚みがあり、幅は狭くシワシワの、見栄えが良くないもののほうが品質が良くおいしい昆布です。光に透かした時に濃い飴色なのも特徴です。
ダシ昆布の使い分け
当店で扱っているダシ昆布は、松前、利尻、羅臼の大きく3つがあります。
使いやすさや味の好みで気に入ったものを使って頂くのが一番ですが
気楽に使えて、煮立たせても大丈夫な昆布は松前
ちょっと高級感があって、昆布の香りを引き立たせたい料理には利尻
昆布独特の味やうまみを引き立たせたい料理には羅臼
という使い分けが出来るかもしれません。
ダシをとるときの注意点
昆布の水温を70℃以上に上げると、鰹のタンパク質が凝固して、白く濁りのでたダシになります。
稀に水道水のカルキ、昆布のヨード、鍋に付着している澱粉が作用して、青色に変色したダシになる事があります(ヨードデンプン反応)。